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選挙について [憲法]


 最近また、選挙制度について、特定の人間を当選させる目的の案を出してきているようだ。
 私は、反対である。

 憲法第15条の特に第1項、2項、3項を見れば、「公務員を選定し、・・・罷免することは、国民固有の権利である。」「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。」「公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。」と規定されている。

 また、憲法第43条では、「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」

 これらを見れば、国民固有の権利は、議員個人を直接投票、直接選挙で選ぶ投票をする権利であって、他の人が勝手に、この人が一番優先して当選するものとして決めた名簿を政党別に作り、政党に投票したものあるいは、政党の公認した候補者に投票された得票総数に基づき、政党の名簿の候補者を当選させるということは、国民固有の権利を侵害するものであると考える。

 何故(なぜ)なら、政党に投票すべきものであるという規定は、憲法のどこにも存在しないからである。
 それどころか、信条等によって、差別してはならないとかの規定が多く、特定の利益のみを優先させることは憲法の否定するところであるからである。
 そして、全国民を代表する議員となるものを選ぶのであって、特定の政党が抱く特定利益を代表する議員を選ぶ前提ではないからである。

 つまり、あらかじめ想定されない事態が起こっても、全国民を代表するものとして、特定の個人集団のみの利益を図ることなく、国民全体の利益となることを、自らの知識経験等を以(もっ)て、責務として行動するものを期待しているのである。
 したがって、その議員としての活動は、政党の主たるイデオロギーに反しても、国民全体の利益となるべく行動することを要請されているのである。

 党拘束をかけて、国会での発言、決議を制約することは、憲法の予定するところではない。
 従って、党を除名されたら、議員の資格を失うようなものは、憲法違反だと考える。
 名簿式だと、よく、除名されたのだから、議員を辞めねばならないとかよくいうがおかしな事である。
 そもそも名簿式のよう政党色の強いものがおかしいから、そちらを早急に直すべきである。
 したがって、現在の政党に投票したり、党の示した名簿の候補者を当選させるという制度は、憲法に違反していると考える。

 最高裁の判例は、名簿式を今のところ合憲としているが、判例は、変更されるべきである。
 あくまで、立候補した個人を直接、国民の投票によって、投票数の多い候補者を当選させるべきである。
 これで始めて、直接、国民個人の固有の権利の行使といえるものとなるからである。
 党の作成した名簿等で、党の意向で、当選者が決まると、国民があの候補者は、認知症で任せられないとか、資質に欠ける、国政の役職について、普段言っているようなことをされては困るから、同じ党でも、名簿に出ていないこちらの人の方が適切だと思っても、不適切な人間が当選し、重要な地位に就いてしまうからだ。
 だから、憲法違反だと考える。
 同じ政党の中でも、得票を稼ぐだけに使われ、若手等の活躍できる場を奪ってしまい、不適格老人が居座る政治にしてしまう。
 そして、現在のままだったり、更に政党色を強めたら、独裁政治になってしまい、一つの政治的イデオロギー、これすらない、狂信的お題目を唱(とな)えるものの独占的利益を図るのみの日本になってしまうからだ。
 お友達のみ利益にあずかり、他は、搾取されたり、殺されたりしてしまう国になってしまう。
 国民主権、民主主義、自由権始め基本的人権、生存権、法の下の平等、国民のための政治、平和が破壊され、日本が破壊されていき、世界が破壊されていくことになる。

 このような国にしてはならない。
 哲学者、憲法学者、法学者、弁護士、裁判官OB、教育関係者、人権団体、心ある人は、常に国政等に目を光らせ、適切に、適時に、間違った方向に行かないよう、活動されることを期待する。

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