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経済成長について [経済]

 ちょっと前に消費税増税の要件として経済成長率3パーセント以上にしようとか、日銀が経済成長目標を掲げたとか、経済成長の言葉がテレビ、新聞で何度も見られた。

 ところで、日銀の件が報道された直後に、何を勘違いしたのか、物価が一気に上がった。
 経済成長の指標が、国民総生産とか国民総所得とか金銭換算されたものを単純に見て商品等の価格を上げれば、総生産、総所得が増えるから経済成長すると勝手に考えて値上げしたのではないかと思われる。
 これらは、名目成長であって経済成長を判断するためには、物価指数等で調整したりいろいろ実質の経済成長を把握するようにしている。
 単に値上げすれば経済成長になるのではない。
 デフレから若干インフレにしようと値上げに踏み切ったのかもしれないが、これも経済成長ではなくデフレからの脱却にもならない。

 そもそも成長の言葉の意味を考えるに、会社が成長したというとき、製品の単価を上げただけで会社が成長したというだろうか。
 会社が成長したというには、生産販売量が増えシェアを伸ばしたとか、新しい製品を追加して多角経営になり、総生産量も増えたとか、販売する付加価値の種類、量が増えた時に使われる言葉だと思われる。

 このブログで、前に「貨幣と財務と国民の課題 2010-01-10 19:20」で述べた成長も付加価値を増やすものであることを特に強調している。
 量が増えるということは、需要が増えることであり、一つには、人口増がその要因として考えられる。諸外国などに新たに販売先が増えることも、同様である。
 一つには、新たな需要がおこる新製品を追加したときである。新たな付加価値を生産したことになる。
 また、人口が同じでも、今まで必要としなかった、あるいは、買えない事情があったが、新たに宅地が造成され、一戸建て住居を手に入れることができて、家財その他の需要ができた等、今までより人間の活動範囲が広がって新たな需要、必要量が増えたときである。

 以上のように付加価値が増えること、それが需要に結びつくことが経済成長の実質である。
 付加価値が加わっていない同じものの単価を上げるのは、経済成長ではなく、消費者からの搾取に過ぎない。

 デフレからの脱出は、新製品の開発を重ねることにより、多角経営化を図り、企業のリスク分散を図るとともに、産業転換の契機を得ることの中で、徐々に脱出できるのではないかと考えられる。
 新たな新製品を開発するときには、今まで使わなかった、材料、機器、その他新たな需要を必要とするものであるから、いろいろな産業分野で、新製品開発に取り組めばそれだけ多くの産業分野で需要が起こると考えられる。
 そして最終的には、消費者の需要を喚起することになる。
 各企業には、新製品の開発をお願いしたい。

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