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長野の治水 [課題 治水・利水]

 国土交通省河川局のホームページで河川整備基本方針等にかかる状況を見ると、もうほとんどの都道府県の水系の河川整備基本方針が策定済みになっているようだ。
  ところが、長野県は、関川水系ができたようにも思えるが、そのほかの信濃川水系、天竜川水系、木曽川水系等、長野県内の河川整備基本方針がまだ未整備のようである。
 何故なのだろうか。
 信濃川水系つまり長野市を流れている河川すべてがそうであるが、特にその重要河川の犀川、千曲川は、何時、増水した濁流が堤防を越えて家屋等が浸水するか分からない切迫した状況にあると思われるのに、何故、未だ整備方針が定まらないのだろうか。
 その策定手続きとスケジュールはどうなっているのだろうか。
 県、市は、国と十分情報交換して、適切なタイミングで、適切な手続きで、適切な内容で河川整備方針が策定されるよう努めるべきだと思われる。
 どうも長野県は、従来から計画がきちんと作られないままに放置されていることが多かったような気がする。
 その結果、道路橋梁等がかけられるときに、河川改修計画がないために、狭い河川のまま橋梁がかけられてしまうことが多かったのではないかと思われる。

 いずれにしても行政は、計画行政で、着実に課題を解消していく必要があり、そのためにも、適切な方向の、適切な内容の整備方針、整備計画を建て、実施計画を建て予算を確保し、計画的に整備していく必要がある。

 長野市には、長野県のほぼ半分の面積の地域から、雨水等が集まってくるのである。
 長野市内でほとんど降らなくとも、上流地域で大雨が降れば、長野地域で氾濫することが起こりうるのである。
 昨年は、それほどの雨量ではなかったが、上流部で、ちょっと降りが強かった程度で、とても100年確率200年確率には遠く及ばない程度の降りだったが、中野市の立ケ花の橋の手前で、堤防上の道路が一部冠水し通行止めとなった。
 それより手前でも、増水のため堤防上の道路の通行止めをしているし、村山橋の通行止めもしたことがあるらしい。
 これほど、頻繁に氾濫のおそれが生じているのに、何らの動きもなく、河川整備方針も内容がほとんど情報提供されないのも不思議なことだと思われる。

 一昨年、東京に時間雨量140ミリだかの豪雨が降ったことは記憶に新しい。長野市から200キロぐらいしか離れていないところである。
 他の都市でも、最近頻繁に床下床上浸水のニューズが、必ずと言っていいほど毎年何回か聞くようになってきている。
 従来の基本高水等の基準で造られているものでは、既に駄目だということを実証する例に事欠かない。
 そしてさらに、将来は、温暖化等により、もっとひどくなることが予測されているのである。しかも、その歩みは予測より早く進行しているようである。

 浸水予想地域の地図等も配られたし、千曲川河川事務所のホームページでも、確認することもできる。
 今、長野市は洪水の点で、非常に危険な状況にあるといえる。特に、犀川、千曲川は、緊急の状態にあると思われる。
 河川整備方針には、何度も書いたが、基本高水を大幅に高くとり、十二分に河川幅を広げ、河床を5メートル以上現在より下げる必要があると思われる。
 そしてコンクリートブロック等の護岸を整備する必要があると思われる。
 堤防から水漏れしただけでも、人家が水没するおそれがある。
 さらに、一部関川水系の方へ放水路等を造り、分流したりすることも考えられる。

 河川整備方針、河川整備計画ができるまで待っていられる状況ではないと思われるので、緊急河川事業等で、河床浚渫やネック地点緊急拡幅等の事業を平行して施工していただきたいと思う。信濃川と同じ河川であるので新潟県域でも、必要な拡幅等の対策が必要だと思われる。場合により、高水敷きを緊急に削って、緊急流心拡幅する手もあるのではないかと思われる。一部日本海への放水路も新潟県域で造ってあるようであるが、これでどのくらい多く新潟県側へ流せるようになったのか、その分だけでもすぐ長野県側を拡幅して欲しいと思う。

 長野市が長野県の中でもっとも危険な状態にあるし、防御対象の人口も長野県最大なのであるから、緊急優先度は高いと思われる。
 長野市で濁流が堤防を越えたら、死人が出るのはほぼ確実だと思われる。3メートルから5メートルも水没する地域がでるし、止めようもなく、次々と上流から水が押し寄せるのであるから。

 このように治水を怠ると死亡者がでる状況にあるにもかかわらず、今年の国の河川局の予算が、他に比べて多く削られたのは、実に問題だと思われる。
 政府は国民に死ねといっているようにしか受け取れない予算である。
 


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